ANAウイングス主催のDHC8-Q400型機チャーターフライト 〜 Q400 南の島物語 〜が、2023年3月27日(月)松山発沖縄(那覇)行きで実施されました。那覇へ到着後は休憩を挟んでのMRO Japan 機体工場・格納庫見学ツアーにて、チャーターフライトでの搭乗機とご対面するという内容の企画です。
今回幸運にもこのチャーターフライトに搭乗することができましたので、その様子をレポートいたします。
DHC8-Q400型機チャーターフライト 〜 Q400 南の島物語 〜は、「C整備」と呼ばれる整備作業を行うために、沖縄の那覇空港に隣接するMRO Japanへ向かうDHC8-Q400型機(JA463A)を使用して
「DHC8-Q400型機のことをもっと知ってもらい楽しんでいただけたら」
というANAウイングスの社員の想いから発案されたものです。
定期便ではボーイング737-800型機で運航されている松山 – 那覇線ですが、この区間でお客さまを載せてDHC8-Q400型機で飛ぶというのは、ANAグループ史上初めてのことです。
DHC8-Q400型機(JA463A)の製造番号は4558、納入年月日は2017年6月26日と、ANAウイングスの機体の中でも比較的新しい。総飛行回数は2023年2月28日現在で13,171回、総フライト時間は11,772.3時間でした。
大阪・伊丹空港からフェリーされたJA463Aが松山空港にてスポットインする際には、大阪・伊丹行きの定期便として出発する前の同型機と並ぶシーンもありました。
松山空港の国際線カウンター前でチェックインを行い、〜 Q400 南の島物語 〜特製の搭乗券を手に保安検査を抜けて搭乗口Dから搭乗しました。
フライト中はジェット機では味わえない比較的低い高度からの景色を堪能しつつ、楽しい企画もあり、那覇までの2時間20分があっという間でした。
DHC8-Q400型機の “Q” はQuietのQなのはご存じの方も多いと思いますが、これは「騒音・振動制御システム ANVS ( Active Noise and Vibration Control System)を構成するキャビン内の騒音を検知するセンサーで、機内には全部で96個もの穴があります。
このセンサーがキャビン内の騒音を検知して、騒音を低減するように機体の外板を機械的に振動させることで、騒音と振動を低減しています。
このチャーターフライトでは、このANVSを上空で ON/OFFしてくれて、騒音や振動の違いを知るレア体験も行うことができました。
ANVSをOFFにすると、音が高く、大きくなる印象でした。
ヘッドフォンのノイズキャンセルのON/OFFの感覚に近い感じでした。
この差を実際のフライト中に体感できるのはとてもレアで、搭乗者にとっても嬉しかったのではないでしょうか。
また、巡航時と離発着時のプロペラの回転数の違いも巡航中にデモンストレーションしてくれました。
巡航中の約850RPM (毎分回)と離発着時の約1,020RPMとの違いをはっきりと認識できました。
レア感たっぷりで和やかな雰囲気だった松山から沖縄・那覇までのチャーターフライトと、そのチャーターフライトで搭乗した機体の整備作業風景を間近で見学できるという、とても楽しい企画でした。
「Q4(きゅーよん)」「ボンちゃん」などと呼ばれて多くの人から親しまれているDHC8-Q400型機が、参加者の皆さんにとってさらに親近感が湧いてくる1日となったのではないでしょうか。
また、乗務されていたクルーやMRO Japanで解説をしてくれたANAウイングスの社員の方やMRO Japanのスタッフの方の温かい気持ちが伝わってくる、とても素敵な時間でもありました。