伊藤忠商事は、アラブ首長国連邦の国営航空会社であるエティハド航空との間で、フィンランドに本社のあるNeste OYJ社が生産するSAF(Sustainable Aviation Fuel : 持続可能な石油代替航空燃料)の販売契約を締結した。
この契約は国内空港における海外航空会社へのSAF供給としては日本初の取り組みとなる。

オンラインでも配信された。
日本政府は2021年12月に、航空業界の脱炭素化に向けて「2030年までに本邦航空会社による航空燃料使用量の10%をSAFに置き換える」という目標を公表。
また、2027年には「民間航空のためのカーボン・オフセット及び削減スキーム(CORSIA)」を通じた排出削減義務が開始されることから、日本国内空港でのSAFの安定供給網確立は重要となっている。
これらの状況を踏まえて伊藤忠商事は、2020年に全日本空輸およびZASTE社と協働でSAF輸入・品質管理から空港搬入までの国内サプライチェーンを構築。2022年2月にはNESTE社とSAFの日本市場向け独占販売契約を締結。SAFの日本国内への安定供給に向けた体制整備に努めてきている。
そして新たに航空機自体への給油までのサプライチェーンを整備。国内に燃料タンクなどの給油インフラを持たない海外航空会社向けにも供給を拡大していく方針だ。
一方エティハド航空は脱炭素化の取り組みとして、「2035年までに2019年の二酸化炭素排出量レベルを半減」。「2050年までにカーボンニュートラル」という最低目標を掲げており、日本から出発する定期便でSAFを使用することを重要視している。
エティハド航空へは成田国際空港にて航空機渡し条件でのSAF供給を2022年6月より行う。

・伊藤忠商事株式会社 エネルギー・化学品カンパニー エネルギー部門長 山田 哲也(やまだ てつや)氏
・ETIHAD(エティハド)航空 日本支社長 稲場 則夫(いなば のりお)氏
オンラインモニター
・NESTE Mr. Sami Jauhiainen (Vice President, APAC Renewable Aviation) 氏
(ネステ社 アジア太平洋地域SAF事業統括 サミ・ヤゥヒアィネン)[写真提供 : 伊藤忠商事]