日没後のカフェの店内壁面にスライド形式で写真を投影する、新しい形の写真展「#amazingIZO -出雲空港 8人の視点」が、島根県松江市にあるWATERWORKSにて開催されている。
出雲空港(出雲縁結び空港)は外周をぐるりと一周できるだけでなく、ヒコーキまでの距離が近い上に、「雲出る国」として実にさまざまな空の表情で魅せてくれる空港として、最近ヒコーキ写真愛好家の間では注目度が爆上がりしているとも聞く。現在、JAL(日本航空)とJAC(日本エアコミューター)、FDA(フジドリームエアラインズ)が就航しており、東京・大阪・名古屋(小牧)・福岡・仙台・静岡・隠岐線がある。
今回の写真展「#amazingIZO -出雲空港 8人の視点」は、コロナ禍で地方遠征へ気ままに行くことができないヒコーキ写真愛好家たちが、改めて地元空港への愛着を再認識するだけでなく、それが形となって表現されている点に意義と意味を感じるものがあり、「Aviation Picks」としても是非ともご紹介したい地方発信事例だ。発起人の松江市在住でヒコーキ写真活動家の原健一氏にリモートでインタビューを敢行した。
□ 「写真で大切なことのひとつって、、、、」
【Aviation Picks(以下AP)】スライド写真展「#amazingIZO -出雲空港 8人の視点」開催おめでとうございます。
【原健一氏(以下H)】ありがとうございます!
【AP】カフェで、しかも日没後にだけ開催されるスライド写真展。新しいですね。
【H】そうなんですよ。元々会場となっているWATERWOROKSさんにおいてこの形式でのイベントは開催されていて、今回は「第23回 スライド写真館」としてやらせてもらっています。昨年(2021年)の1月から2月にかけて、イカロス出版の“月刊エアライン”などで活躍されている航空写真家の深澤明さんにもご参加いただいて開催した第22回 スライド写真館「原健一×深澤明 無機質な旅立ち」が大反響をいただきました。
【AP】それがきっかけで、原さんの中で何かが動き始めたという。
【H】はい(笑)。ご覧いただいた方の中には地元の出雲空港をベースに撮影されている方も多数いらっしゃって、『次回もし開催するなら地元のヒコーキ写真愛好家による、地元の出雲空港にフォーカスしたスライド写真展を開催しよう』というイメージが沸々と湧いてきました。
【AP】今回ご出展されている8人は皆さん元々顔見知りですか?
【H】一言でいうなら「つながりの、つながり」、でしょうか。昨年のスライド写真展に足を運んでいただいた方や、普段から出雲空港でお会いする方、その方のご友人であったり。実はまだ、、、8人の出展者全員が一堂に会したことがありません!。
【AP】それも含めて、なんか、新しいですね。
【H】愛する地元空港である出雲と、8人がそれぞれの感性で向き合って撮影された作品なので「自分の見たこともない出雲空港を見て、感じることができた」と、出展者同士とても刺激がありますね。まさにタイトル通りAmazingなIZO(出雲空港)を8人それぞれの視点で捉えた写真展です。
【AP】写真って結局、ピントですよね。あ、つまり、同じ場所から同じものを見ていても、その人がどこにフォーカスを当てるか。その見ているもの、ではなくて、どこにピントを合わせているかが、違いであり、個性といいますか。
【H】なにやらゾクゾクするような写真談義になってきましたね(笑)。今回この8人でのスライド写真展を開催して良かったなと思ったのは、写真で大切なことのひとつって、他人の写真を「見て・楽しんで・感じる」ことなんだなと再認識できたことです。
【AP】会場がカフェというのがまた良いですよね。
【H】そうなんです!ヒコーキをご存知ない方や写真に興味のない方、出雲空港を単なる飛行機に乗る場所としてしか認識していない方にも、AmazingなIZO(出雲空港)をご覧いただき、感じていただけるきっかけになるかもしれないんです。写真の楽しみ方は人それぞれですが、私は「写真とは、楽しみ、感じるもの」という想いがあります。それを表現するためには、ギャラリーでもなく、空港なども含めた公共な場でもなく、「カフェ」というくつろぎを提供する空間が、実にピッタリだったのです。会場には投影写真を一冊にまとめた手作りの写真集も置いていただいており、スライド写真を楽しみながら写真集も楽しんでいただこうという趣向です。
【AP】これは、WATERWORKSさんで出展者によるトークショーも面白そうですね。
【H】それ、是非やりたいです(笑)。会期中に一度は全員で集まって、またそのつながりの人たちにも集まってもらって、コーヒー片手にヒコーキ写真談義もしたいです!
【AP】ヒコーキ写真活動として、今後そのような想いで活動されていきたいですか?
【H】今回のスライド写真展をご覧になった出展者のご友人やお知り合いが、ヒコーキ写真の魅力を感じ取ってくださって、「今度はヒコーキを撮ってみたい」と言ってくれたと聞いてとても嬉しくなりました。中にはコーヒーを飲みながら食い入るように写真をご覧になっていた方も。ヒコーキ写真って「その先」に想いを馳せることができるのが素敵だなぁと思うんです、乗っている人々に想いを馳せるのか、それとも飛んでゆくヒコーキに想いを馳せるのか。雄大な自然やそこまでも青い空、雲の表情に想いを馳せるのか。その“想い”が多くの方々に届くような活動をしていきたいですね。
【AP】素晴らしい取り組みと、そしてその先への想いもお聞かせいただきありがとうございました。益々のご盛会を心からお祈りしております。
【H】ありがとうございます!これからもヒコーキ写真の世界を微力ながら盛り上げていきたいと思います。
WATERWORKS のホームページはこちら https://www.cafe-waterworks.com/
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